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ホーム代表者と顧問医師のコラム

子供の目線とは

 子供の目線とは、大人が腰を低くして、自分の目の位置を子供の目の位置に持ってきて、そこで周囲を見ろという意味ではありませが、そのようにする積もりになって、大人の感じ方、知識や判断を用いないで、子供がこう感じているであろうと言うことを、共感という形で、肌で感じ取ることです。こういう状況に置かれると、子供はこうなるという事実を、そのまま認めることです。

 昔から今まで子供達が育ってきた様子、私自身が子供だったときの様子、親として子育てをしてみて、医師として病院内や地域の医療活動の中で、校医として学校へ行ってみて、子供に関して私が強く感じることがあります。それは、「子供達は本質的に意欲に富んでいて、子供なりに何かを求めて動き回っている」という事実を感じることです。「何かを求めて動き回らない子供でも、子供を苦しめているストレスから一時的にでも子供を解放してあげると、何かを求めて動き回り出す」のです。

 大人達が子供達にああしろ、こうしろと強要しなくても、子供達は子供達なりに成長して立派な大人として、社会へ出て行っています。大人は、子供達の目線で子供達が何を感じているのかをしっかり把握して、求めている子供には求めている物を与え、拒否している子供には拒否している物を強要しないで、その子供の判断を尊重して、成功をほめ、失敗を許して、子供の成長を見守りさえすれば、子供は自分の周囲についてそれなりの反応を示して、その子供なりに社会性を得て、大人へ向かって伸びています。

 ここで間違えて欲しくないことは、子供にああしろ、こうしろと指図しても良い子供、ああしろ、こうしろと指図すると却ってよくの伸びる子供もいるので、全ての子供に普遍化して、子供達の成長を子供の目線で見る必要は無いことです。元気が良くて、大人の指図で伸びる子供はそれでよいのですが、辛い立場にあって自分を維持するのに精一杯の子供には大人の指図は子供をますます苦しくします。辛くして、子供の心を傷つけていってしまいます。大人の指図で伸びる子供も大人の指図で辛くなる子供も、子供の目線で子供の要求を大人が感じて、子供の判断を大切にしさえすれば、子供は所謂偉人にはなれないけれど、平凡なそれでいて生命力のある大人に向かって成長していきます。

 ところが現実には、大人達の勝手な欲求が子供達を苦しめています。大人達が子供を所謂優れた子供に育てたいと思うのは、大人として当然だと思います。親たちは子供達のことを考えて一生懸命であることには間違いないのですが、自分たちの判断を尊重して、子供の感情を無視して、大人達は子供達へ子供達の嫌がることを押しつけています。大人の押しつける物を嫌がる子供、大人の要求に応えられない子供については、それは子供に問題があると大人達は判断しています。

 大人達と違って、子供達は子供達にとって嫌なことをすることができません。大人は自分の嫌なことでも我慢をしてすることが出来ますが、子供にはそれが出来ないことを大人達は理解しよとはしません。大人は、自分が子供たっだころ嫌なことはすることができなかった事実を忘れています。その結果、大人達は子供達に大きな恐怖を与え、その恐怖からの回避行動として、子供達が嫌がることを子供達に無理矢理にさせています。それをしつけだ、教育だ、と言って美化しています。

 ところが子供達の立場から見れば、嫌なことだからできないのに、大人達から大きな恐怖を与えられて、無理矢理に嫌なことをさせられた結果、心に傷を受けてしまうという現実があります。大人達は自分たちでは良いことをしているつもりでしょうが、結果として子供達を傷つけ続けており、子供達が心の傷から苦しみだしたときには、子供達がおかしいとして子供達に原因を押しつけています。

 子供へのしつけだ、教育だと言って、子供に恐怖を与えて子供が嫌がることを行わせることは、外見上は子供をきちんと管理しているように見えますが、子供の心の中には心の傷が出来て来ることを意味しています。大人が気づかない内にどんどん子供の心の中の傷が増えていき、深まっていき、その結果として所謂問題児を作っています。問題児を作るぐらいなら、その子供にしつけや教育をしない方が良かったはずなのに、大人の立場からしか見ていない大人には、子供の心の中のことが分かりません。

 大人達は大人の立場だけで子供達を見ないで、子供達の心の中をもっと知る必要が有ります。子供の心の中を知るには、子供の目線で、そして自分の肌で子供が何を感じているかを感じ取る必要が有ります。

 子供にはその子供なりに大人になり社会へ出ていく能力を持っています。それを阻害しているのは大人です。特に成果だけを求め続けている教師が、一方で子供達の心を傷つけていることに気づいて欲しいと思います。成果を出せるような子供は、大人が与えればそれを吸収してどんどん成果を出していきます。どのような教師でもそれは難しいことではありません。

 子供がどんどん成果を出していくような子供か、それとも今は癒してあげて、時期を待ってあげるのが良いのかを見極める能力を現在の教師は持っていません。持っていないわけではないのですが、成果を出すことに一生懸命の余り、子供の目線で子供とふれあい、子供の心を知ろうとしない教師が多いという現実が有ります。

 教師の批判をしてもここでは意味がありませんのでこれぐらいにしておきます。親も自分たちの常識や欲に捕らわれて、子供の目線(ありのままの子供の姿をそのまま認めることで、大人の理屈はいらないと言う意味)で子供とふれあい、子供の心を肌で感じ取ってほしいと思います。子供一人一人を理解するのには理屈は入りません。肌で感じ取ればよいのです。子供達は親が頼りです。親に助けて欲しいのです。社会が何であれ、親が子供を支えようとすれば、子供はその子供なりに自分の問題を克服していきますから、子供を信じて、子供を支え続ければよいだいなのですが。

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